1月3日 (木)
快晴です。
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『 猫は忘れない 』 by 東 直己
華は、どこに電話していたの、というようなことは尋ねない。
だが、俺の顔を見つめるその表情は、
雄弁に、「 どこに電話していたの? 」と尋ねている。
「 知り合いが、店をオープンするんで、
お祝いを贈りたいんだけど、いいのが見つからないんだ 」
「 なにを贈るの? 」
「 ・・・いや、そもそもそこから、迷っているわけだ 」
「 男性?女性? 」
「 男だ」
「 いくつくらいの人? 」
俺の親は、「 一度、噓をつくと、
何度も噓を重ねなくてはならなくなるから、
噓をついてはいけないよ 」と、教えてくれた。
本当に、そうだなあと思いながら、俺は
華の質問に、上の空で噓を答え続けた。
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