2013.07.31
ミチノ。・・・ああ、思い出した。
満埜という男だ。
社内人事にしか興味がない、というタイプのひとりだ。
私をあっさり見捨てた連中の筆頭だ。
怒りを感じるだろうか、と思った。だが、
自分の内面を見回しても、そんな感情は、どこにもない。
昔の話だ。
もう、充分に色あせた出来事だ。
それに、私は、今、幸せだ。
今、自分が幸せだ、ということは、
過去の出来事は、総て、それでよかったのだ、
と、いうことだ。
「 挑発者 」 by 東 直己