成原漢方薬局

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漢方日記

2014.08.06

『 与える木 』  by シェル シルバスタイン

 

 ある所に一本の木が生えていた。木はある少年を可愛がっていた。

 少年は毎日、木の所に来て遊ぶ。枝でブランコをしたり、りんごの実を食べたり、

 木陰で眠ったり、彼は木が大好きで、木も幸せだった。

だが、時がたち、成長した彼の足は遠のく。

 木は、独りになることが多くなった。

ある日、彼が来て、遊ぶためのお金が欲しいと言う。

 木は、りんごの実を売ってお金をつくるようにとすすめた。

 彼はりんごの実をとって去る。木は幸せだった。

やがて、壮年になった彼が来る。家がほしい、結婚したいと言う。

 木は枝で家を建てるようにすすめた。

 枝を切って、彼は去る。木は幸せだった。

中年になった彼がまた来る。遠くへ行くためにボ-トが欲しいと言う。

 木のすすめで、彼は幹を切り倒し、ボ-トを造って去った。

長い年月がたった。

 老人になった彼が、戻ってきた。

 木は、切り株だけになった自分の上で、休むようにすすめる。

 彼は言われるままにした。   木は幸せだった。

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