「 ・・・知らなかった。聞いてなかった。思いもよらなかった。
みんな同じことだが、
奴らは、自分が無知という罪を犯したことを
理解していない。
無知だからこそ、奴らは地獄の蓋を開けた。
おまえも同じだ。
今、そんなことはわからない。と、言いかけた。
わからなければ、注意深くなれば良い。
それこそ、鼠や子魚のように、
全身をアンテナにして、そこらに散らばっている
地雷を踏まないように歩かなくてはならない。
堂々と歩けるのは、知恵のある者だけ。
そんな単純で絶対的な真理を
無視して生きてきたんだ。
おまえたちは 」
『 ダイナー 』 by 平山 夢明