成原漢方薬局

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漢方日記

2012.09.26

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      『 与える木 』

 あるところに、1本の木が生えていた。

木は、ある少年を可愛がっていた。少年は、毎日

木のところに来て遊ぶ。

 枝でブランコをしたり、りんごの実を食べたり

木陰で眠ったり、彼は木が大好きで、木も幸せだった。

 だが、時がたち、成長した彼の足は遠のく。

 木は、独りになることが多くなった。

 ある日、彼が来て、遊ぶためのお金が欲しいと言う。

木は、りんごの実を売ってお金をつくるように勧めた。

彼は、りんごの実を採って去る。

 木は、幸せだった。

 やがて、壮年になった彼が来る。

家が欲しい、結婚したいと言う。木は、枝で家を建てるよう勧めた。

枝を切って、彼は去る。

 木は、幸せだった。

 中年になった彼がまた来る。

遠くへ行くために、ボートが欲しいと言う。木の勧めで、

彼は、幹を切り倒し、ボートを造って去った。

 長い年月がたった。

 老人になった彼が、戻って来た。

木は、切り株だけになった自分の上で、休むよう勧める。

彼は、言われるままにした。

 木は、幸せだった。

    by シェル・シルバスタイン

 

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