コ-ヒ-を飲んでいると、中年紳士とおばあちゃんが、
相次いで、別々に入ってきた。
紳士がホットケ-キを注文すると、おばあちゃんも同じものを注文した。
ホットケ-キがくると、紳士は、おしぼりで丁寧に手を拭いた。
近くの席に座ったおばあちゃんも、それを見て、おなじように拭く。
バタ-を塗り始めると、おばあちゃんもバタ-に手をのばす。
ナイフで切って口に運ぶと、おばあちゃんも同じようにする。
やがて、紳士は、おばあちゃんにまねられていることに気がついたらしく、
ホットケ-キにシロップを、かけた。
どうやら、甘いものは苦手らしく、顔をしかめて食べている。
おばあちゃんもすぐ、まねをして、シロップをかける。
こちらは、甘いほうが口にあったらしく、うれしそうな顔をしている。
私は、本当の紳士に会った気がした。